寮の部屋を模様替えをした。
テーブルを捨てた。
必要ない衣類は捨てた。できる限りの物は実家に戻した。
余ったスペースにソファを置き、そこに座って本を読む。
村上春樹の鼠三部作は、文章が「飛ぶ」。
「羊をめぐる冒険」は物語として成り立っていたので読みやすかった。
それよりも短編集「パン屋再襲撃」のほうが好きだ。
日常の一瞬を主人公の心の中のつぶやきの中から生まれる視点から
描かれているので読みやすい。
意識的に過去を受け入れようとしているけど、それってもの凄く辛い作業で。
ふとしたときに過去の一瞬の映像と感覚と匂いがフラッシュバックしてきて自分の頭を混乱させる。
お願いだから過去の経験則を話すのはやめて。その隙間から見えるあなたが嫌い。
あのときの野球の審判員は小学生だった自分を罵倒した。入ってきちゃダメだって。
おかげで野球が好きだという人を素直には信頼できなくなったというのに。
そんな瞬間が帰りのメトロの中で思い出された。
過去から逃げるためにどんどん走らなきゃいけない。
過去に負けてはいけない。
自分の過去に。そして他人の過去にも。
ここからがスタートなのです。
この言葉、何度目だろう。